昔は焼肉と言えば食べ放題がベストであり、焼肉のタレだけでも米を食べることができたくらいだから、肉の質などよりも量にしか興味がなかった。

しかし、いつの間にか「量より質」ということになっていき、「良い肉を少しずつ食べたい」などという贅沢な嗜好に変わっていく。満腹になるのもなんだか苦痛になってきて、もう食べ放題には食指が動かないのだ。

ただ、この「量より質」というのが非常に厄介である。
質にこだわった場合の「量」に大きなバラつきがあるからだ。
いくら「量より質」と言ったところで、「え、これだけ?」となると、いくらその肉が美味しくてもコストパフォーマンスには満足できず、「高すぎる!」という評価になる。
質さえよければよいという問題ではなく、その質を際立たせるのは量なのではないかと
思えてくる。
質の良い肉が、最低でも不満を感じないだけ提供されてこそ「量より質」と言えるのではないだろうか。

仕事でも同じだ。
「量より質」などとよく言う。誰が言い始めたのか知らないが取りあえずよく聞く。
若いうちはとにかく質より量をこなせ!とも言うが、その内に、量じゃなくもっと質を重視しろ!とか、幹部社員は量より質にこだわれ!とか言ったり言われたり。
しかし結局これも肉と同じではないだろうか。
どれだけ質にこだわって仕事をしているのか分からないが、量が乏しければその質など大して生きてこない。飲食店であれば「ぼったくり」になるが会社では「給料泥棒」になる。
自分で勝手に仕事量をセーブした者が口に出す「量より質」というのは疑わしい。

「質も量も」というのは非常に贅沢だが、なんだかんだ言って美味いものは沢山食べたいのだ。
「質も量も」というのは酷だが、仕事のできる人には量も期待されているのだ。